「寛政の改革」とは、わかりやすく簡単に解説

歴史
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 江戸時代

 松平定信が行った政治改革

 寛政の改革

 寛政の改革は祖父である徳川吉宗享保の改革を目指した

 田沼の改革で混乱した政治を立て直す

 寛政の改革とは

 寛政の改革の政策とは

 わかりやすく、簡単に解説していきます。

キーワード

・松平定信

・寛政の改革

・昌平坂学問所

寛政の改革

(松平定信自画像 出典:Wikipedia

 田沼意次が改革を行った「田沼の時代」「田沼の改革」

 田沼の時代は浅間山の噴火、天明のききんによって終わります。

 田沼意次の後に行った人物

 老中「松平定信」です。

 松平定信が「寛政の改革」を行いました。

① 倹約令

 松平定信は祖父の徳川吉宗と同じように倹約令を出します。

 松平定信は徳川吉宗の享保の改革と同じく大奥の予算を削りました。

 また、江戸幕府の中だけでなく、朝廷にも経費の節約をさせました。

  徳川吉宗に違い、一般の人々にも厳しい倹約を求めました。

 田沼時代に華やかな生活が定着していたため、厳しく贅沢を禁止しました。

② 囲米の制

 凶作や天災に備えて米を蓄えておく政策です。

 囲米は、諸大名に1万石につき50石を5年間領内に備蓄させました。

 囲米によって、幕府や諸大名は備蓄を続け幕府の囲米が55万石、諸大名の囲米は88万石に達したといわれています。

 囲米の制によって凶作や天災や天災対策となりました。

 一方で、お米の生産を増やしたいと考えた松平定信は「商品作物の生産を制限」しました。

 これまで貨幣を得るために作っていた作物の生産を制限され、農民は困ります。

 田沼の時代では貨幣が重視されていましたから余計に反発が強かったです。

 商品作物の生息の制限は上手くいきませんでした。

③ 旧里帰農令

 松平定信は、地方から江戸に出ていた農民を故郷の農村に帰ることをすすめました。

 旧里帰農令といいます。

 ただ「故郷に帰れ!」としたわけではなく、旅費や補助金を支給して帰れるようなお金を用意しいました。

 しかし、農村で仕事がないから江戸に出稼ぎにきていました。

 農村に帰ったとしても仕事はありません。

 これは失敗に終わります。

④ 棄捐令

 松平定信は、多くの武士が借金をしていることを知ります。

 家を失う武士や、刀を売る武士が出てきます。

 松平定信棄捐令を出します。

 棄捐令とは武士が借りた借金を帳消しにするものです。

 武士は大喜びをします。

 しかし、困る人も出てきます。

 一方でお金を貸していた人は大きく損をします。

 その結果、武士に対してお金を貸さなくなります。

 武士の生活はより厳しい物になっていきます。

 鎌倉時代の徳政令と同じ流れです。

⑤ 昌平坂学問所をつくる

 松平定信は徳川綱吉と同じように朱子学を学ばせます。

 朱子学は「主従関係・上下関係を重視する学問」です。

 江戸幕府にとって、朱子学の教えは都合が良かったです。

 松平定信朱子学を学ぶ昌平坂学問所を作りました。

 昌平坂学問所では、朱子学のみを学びました。

寛政の改革の結果

 庶民の間で

「白河(松平定信)の清き魚の住みかねて、元のにごりの田沼こひしき」

という狂歌が読まれます。

 簡単に言うと「松平定信の厳しい時代より田沼のゆるい時代が良かった」という内容です。

 田沼意次の時代よりも規制が厳しい寛政の改革

 庶民にとっては不満が多い政治でした。

 一方で寛政の改革のメリットもあります。

➀ 役人による不正が行われにくくなった

 潔白な松平定信は厳しいので、わいろは行われにくくなりました。

➁ 米の収穫量の増加

 各村に米を貯えさせたりしたので、米の収穫量は増えました。

➂ 幕府財政の安定

 増税により幕府の財政は安定しました。

まとめ

  1. 松平定信が行った政治改革を寛政の改革という
  2. 寛政の改革は祖父の徳川吉宗に習ってお米を集めることを重視した
  3. 武士に質素・倹約をすすめた
  4. 江戸に来ていた農民に故郷に帰す旧里帰農令を出したが上手くいかなかった
  5. 武士の借金を帳消しにする棄捐令を出した結果、武士は喜んだが、お金を貸していた人は不満を持ち、武士にお金を貸さなくなった
  6. 昌平坂学問所をつくり武士に朱子学を学ばせた

用語確認 一問一答

① 田沼意次の後に老中となった人物

② 松平定信の行った改革の名前

③ 1万石につき50石を領内に備蓄させる政策

④ 松平定信がつくった朱子学を学ぶ学問所

用語確認 一問一答 ~答え~

① 松平定信
② 寛政の改革
③ 囲米の制
④ 昌平坂学問所

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