「成金風刺画」を徹底解説!100円札を燃やすおじさん「どうだ明るくなったろう」

大正時代
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皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。

歴史の教科書で、真っ暗な玄関先でおじさんがお札に火をつけて、「どうだ明るくなったろう」と言っているシュールな絵を見たことはありませんか?

「えっ、お金を燃やすなんて信じられない!」と思うかもしれませんが、この絵には当時の日本の驚くべき経済状況がギュッと詰まっているんです。今回は、このおじさんのセリフの背景と、当時の日本がどうしてこんなに「お祭り騒ぎ」だったのかをスッキリ解説します!

成金の風刺画


1. この絵は何を表しているの?(セリフと状況)

この風刺画は、1916年(大正5年)に和田邦坊(わだ くにぼう)によって描かれたものを模倣しています。

  • 女性のセリフ「暗いよ、道が……(靴が見つからないわ)」
  • おじさんのセリフ「どうだ、明るくなったろう」

玄関先で靴が見つからないと困っている女性に対し、この男性は懐(ふところ)から100円札を取り出し、ライター代わりに火をつけて足元を照らしました。

★ ここがポイント!

当時の100円札は、現在の価値に直すとなんと約12万円

つまり、このおじさんは「ちょっと暗いから」という理由だけで、12万円を燃やして見せびらかしているのです。


2. 「成金(なりきん)」ってどういう意味?

このおじさんのような人を「成金」と呼びます。語源は将棋のルールにあります。

  • 将棋の「歩」:一歩ずつしか進めない弱い駒。
  • 「と」金:相手の陣地に入ると、最強クラスの「金将」と同じ動きができる。

このように、もともとは普通の身分だった人が、短期間で急激に大金持ちになったことを「成金」と言うようになりました。当時の日本には、船で大儲けした「船成金」や、鉄鋼で儲けた「鉄成金」が次々と現れました。


3. なぜ日本はこんなに「バブル」だったのか?

理由は、1914年に始まった「第一次世界大戦」です。

理由内容
輸出の急増ヨーロッパが戦争でモノを作れなくなったため、代わりに日本が世界中に製品を輸出。
船の需要世界中で船が足りなくなり、日本の造船業や海運業が空前の利益を上げた。
工業生産額の変化1914年の約31億円から、1919年には約119億円(約4倍!)に爆増。

この空景気のことを「大戦景気(たいせんけいき)」と呼びます。このおかげで、日本は農業国から工業国へと一気に進化しました。


4. 華やかな成金の裏で起きていた「悲劇」

成金がお札を燃やしている一方で、普通の人々の生活は実はボロボロでした。

  1. 物価の暴騰:景気が良すぎて、お米などのモノの値段がどんどん上がってしまいました。
  2. 米騒動(こめそうどう):1918年、お米が高すぎて買えなくなった富山県の主婦たちが立ち上がり、全国に広がる大騒動になりました。

成金の「12万円ポイ捨て」は、そんな苦しい生活を送る人々への嫌がらせのようにも見え、激しい批判の対象にもなったのです。


5. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 第一次世界大戦中に日本が経験した、空前の好景気を何といいますか。

【問2】 短期間で急激に大金持ちになった人を、将棋の駒に例えて何といいますか。

【問3】 この時代、日本は農業中心の国から何中心の国へと変わりましたか。

【問4】 お米の値段が上がりすぎて、人々が米屋を襲った1918年の出来事は何ですか。

【問5】 100円札を燃やす風刺画が描かれたのは、日本の何時代ですか。


6. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 大戦景気

【問2】 成金

【問3】 工業

【問4】 米騒動

【問5】 大正時代


7. 入試に出る記述問題

【問題】

第一次世界大戦が始まったことで、なぜ日本の工業生産額が劇的に増加したのか、その理由を「ヨーロッパ」という言葉を使って説明しなさい。


8. 答え

【解答例】

主戦場となったヨーロッパ諸国が生産活動を停止したため、日本が代わってアジア市場などへ製品を輸出し、軍需品の注文も急増したから。


9. まとめ

  1. 100円札を燃やす風刺画は、第一次世界大戦中の異常な好景気を象徴している
  2. 急に大金持ちになった人々を、将棋の駒からとって成金と呼ぶ
  3. この好景気は大戦景気と呼ばれ、日本の工業生産額を5年で4倍に増やした
  4. 成金が贅沢をする一方で、物価高に苦しんだ人々による米騒動が発生した
  5. この格差社会の中で生まれたのが、大正デモクラシーという民主主義の動きである

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