「踏絵」は実はお正月の恒例行事だった!?~地獄の拷問 ゆるい立ち話の意外な真実~

歴史
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皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。

歴史の教科書で「踏絵(ふみえ)」と聞くと、多くの人が「キリスト教徒を見つけ出すための恐ろしい拷問」というイメージを持つはずです。確かに、隠れキリシタンにとっては命をかけた絶望の瞬間でした。

しかし、最新の研究や当時の絵資料をよく見てみると、キリスト教とは無関係な「普通の日本人」にとっては、意外にも「お正月のちょっとした年中行事」のような雰囲気だったことがわかってきました。

今回は、教科書だけでは教わらない「踏絵の意外な日常風景」をスッキリ解説します!

「踏絵」の真実


1. そもそも「踏絵」と「絵踏」って何?

混同されやすいですが、テストに出るのでしっかり区別しておきましょう。

用語意味
踏絵(ふみえ)足で踏むために用意された、キリストやマリアが描かれた「板(モノ)」のこと。
絵踏(えふみ)踏絵を足で踏ませるという「行為(イベント)」のこと。

江戸幕府はキリスト教を禁止(禁教令)していたため、国民全員が「私はキリスト教徒ではありません」と証明するために、この儀式を行う必要がありました。


2. 「地獄の瞬間」か、「新年のあいさつ」か

『日本』に収録された踏み絵を踏む様子(Wikipedia

踏絵には、実は全く異なる「2つの顔」がありました。

① キリシタンにとっては「魂が引き裂かれる地獄」

熱心な信者にとって、聖なる像を足で踏むことは、死ぬことよりも辛いことでした。踏めずに処刑される人もいれば、泣きながら踏んだ後、自分の足を洗った水を飲んで罪を清める人もいたほどです。

② ほとんどの日本人にとっては「新年のイベント」

キリスト教徒ではない一般の人々(人口の99%以上)にとって、絵踏は単なる役所への定期報告にすぎませんでした。

★ 資料をよく見てみよう!

当時の絵踏の様子を描いた資料を見ると、面白いことがわかります。

  • 順番待ちをしている間、近所の人と「今年もよろしくね」と新年のあいさつを交わしている。
  • 踏み終わった後、横で普通に立ち話を楽しんでいる。
  • まるで現代の「健康診断」や「町内会の集まり」のような、リラックスした雰囲気。

ほとんどの人にとって踏絵は、お正月に役所へ行って、板を踏んで、「はい、今年も仏教徒です!」と確認スタンプをもらうだけの、ルーチンワークだったのです。


3. なぜ「お正月」に行われたの?

絵踏は、長崎などでは毎年1月(正月)に行われるのが恒例でした。 理由は、新年という区切りの良い時期に、「宗門改(しゅうもんあらため)という住民調査の一環として効率よく行うためです。

幕府は、誰がどこのお寺に所属しているかを台帳(宗門人別改帳)で管理していました。お正月の挨拶ついでに「キリスト教徒じゃないよね?」とチェックするのは、幕府にとっても住民にとっても都合が良かったわけです。

歴史の教科書に載っているたった一枚の絵も、当時の人の気持ちになって見ると、全く違う風景が見えてきますね。

「もし、現代で『スマホ禁止!』という証明のために、毎日スマホを踏まなければならない法律ができたら……みんなはどんな顔で踏みますか?」


4. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 江戸幕府が、キリスト教を禁止するために出した命令を何といいますか。

【問2】 キリスト教徒でないことを証明させるために、足で踏ませた板を何といいますか。

【問3】 江戸幕府が、人々に特定の寺の信者であることを証明させた制度を何といいますか。

【問4】 日本で唯一、オランダや中国との貿易が許された場所(長崎の人工島)はどこですか。

【問5】 踏絵の際、踏んだふりをして信仰を隠し続けた人々を何といいますか。


5. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】 禁教令(きんきょうれい)

【問2】 踏絵(ふみえ)

【問3】 寺請制度(てらうけせいど)

【問4】 出島(でじま)

【問5】 潜伏キリシタン(隠れキリシタン)


6. 入試に出る記述問題

【問題】

江戸幕府が絵踏を年中行事として定着させた目的は、キリスト教徒の摘発以外に何があると考えられますか。「監視」という言葉を使って説明しなさい。


7. 答え

【解答例】

国民全員に定期的に儀式を行わせることで、幕府が個人の信仰や思想まで監視しているということを人々に強く意識させ、支配を徹底させるため。


8. まとめ

  1. 踏絵は、江戸幕府がキリスト教徒を見つけ出すための道具だった
  2. 多くの日本人にとっては、正月に新年のあいさつをしながら行う年中行事のような側面があった
  3. 信者にとっては拷問であり、一般人にとっては事務手続きという、「2つの顔」を持っていた
  4. 宗門改などの仕組みにより、幕府は国民一人ひとりの思想を厳しく管理した
  5. 資料をよく観察することで、歴史の「表(公式な目的)」と「裏(当時の人々のリアル)」が見えてくる

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