なぜあんなに悲しいの?「防人の歌」から見える奈良時代の農民の過酷な現実

歴史
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皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。

万葉集に収められている「防人の歌(さきもりのうた)」。 「家族に会いたい」「帰りたくても帰れない」といった切ない歌が多く、読むと胸が締め付けられますよね。

なぜあんなに悲しい歌ばかりなのか? その背景には、当時の農民を苦しめていた「あまりに重すぎる税の負担」がありました。

防人の歌


1. 「防人」というあまりに過酷な義務

まず、防人(さきもり)とは何かを整理しましょう。

  • 役割:北九州などの海岸線を守る兵士です 。
  • 任期:なんと3年間も家族と離れて過ごさなければなりませんでした 。
  • 最大の問題:都までの移動費や食料、そして武器までもがすべて自己負担だったのです 。

徒歩で九州まで向かい、3年間も無給で働き、自分の食料も自分で用意する。これは農民にとって、文字通り「命がけ」の負担でした。


2. 農民を絶望させた「重すぎる税」のセットメニュー

防人だけではありません。当時の農民には、逃げ出したくなるような重い税がのしかかっていました。

  • 租(そ):収穫した稲の3%を納める 。
  • 調(ちょう):絹や特産物を徒歩で平城京まで運び、納める。その間の食料や宿代も自己負担 。
  • 庸(よう):都で10日間働くか、代わりに布を納める 。

平城京のきらびやかな町並みは、こうした農民たちの犠牲と苦しみの税の上に成り立っていたのです


3. 「鳥にしあらば(鳥だったなら……)」と詠んだ理由

教科書にも登場する和歌を覚えていますか?


「この世の中はつらく耐えられないが、鳥ではないのでどこへも飛んで行けない」

当時の農民は1日1食、食べられない日もあるほど貧しい生活を送っていました 。 これほど苦しい生活の中で、さらに「防人」として家族と引き裂かれる……。「悲しい歌」しか詠めなかった当時の人々の気持ちが痛いほど伝わってきますね。


4. 基礎用語の確認問題(5問)

【問1】 北九州の防衛のために、農民が3年間の義務として送られた兵士を何といいますか。

【問2】 収穫した稲の約3%を納める税を何といいますか。

【問3】 絹や布、各地の特産物を都まで運んで納める税を何といいますか。

【問4】 奈良時代の人々が詠んだ歌が収められた、日本最古の歌集は何ですか。

【問5】 税の負担を逃れるために、当時の人々がとった行動(逃げ出すこと)を何といいますか。


5. 基礎用語の確認問題の答え

【問1】

防人(さきもり)

【問2】 租(そ)

【問3】

調(ちょう)

【問4】 万葉集

【問5】逃亡(とうぼう)


7. 高校入試に出る記述問題

【問題】 奈良時代の農民が「調」を納める際、どのような苦労があったか。移動手段と費用の面から説明しなさい。


8. 答え


徒歩で遠い平城京まで運ばなければならず、さらに道中の食料や宿代はすべて自己負担であったため、非常に苦しかった。

9. まとめ

  1. 奈良時代の農民は租・庸・調などの重い税に苦しんでいた
  2. 防人は北九州を3年間守る義務であり、食料や武器は自己負担だった
  3. 家族と離れ、命の保証もない過酷な旅が防人の歌の悲しい内容につながった
  4. 華やかな平城京の繁栄は、農民たちの犠牲の上に成り立っていた
  5. あまりの負担に耐えきれず、逃亡したり戸籍を偽ったりする農民も現れた
  6. 万葉集には、天皇から庶民まで幅広い人々の思いが記録されている
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