「冷戦って“冷たい戦争”ってこと?」
「でも戦ってないなら、どこがこわかったの?」
実は、アメリカとソ連が直接戦わなかっただけで、世界のあちこちで命がけの“代理戦争”が起こっていました。
この記事では、アジア・アフリカ会議、キューバ危機、ベトナム戦争、アフガニスタン侵攻などを通して、冷戦の“本当のこわさ”をわかりやすく解説します!
冷たい戦争(冷戦) ~緊張と緩和~
1. 冷戦ってなに?対立していたのは誰?
第二次世界大戦後、アメリカ(資本主義)とソ連(共産主義)が対立を続けました。
- 直接戦争はしない
- でも、激しいにらみ合い・軍拡・影響力争い…
これを「冷たい戦争(冷戦)」と呼びます。
2. 平和を目指す国々もあった!アジア・アフリカ会議(1955年)
そんな中、「どちらの陣営にも入らずに平和を目指そう!」という動きもありました。
それが「アジア・アフリカ会議」です。
- インドのネルー首相
- 中国の周恩来首相
- インドネシアのスカルノ大統領
が中心になり、平和共存を世界に訴えました。
「東と西、どっちが正しいかではなく、平和に生きたい」――その願いが集まりました。
3. 世界が震えたキューバ危機(1962年)
キューバはカリブ海にある島国。元々はアメリカが支援していた国ですが…
- ソ連の支援によって、共産主義の政権が誕生!
- ソ連がキューバにミサイル基地を作ろうとしたことで事態が一変!
アメリカにとっては「すぐ隣から核兵器を撃たれるなんてムリ!」ということで、
- アメリカはキューバを海上封鎖!
- ソ連の船を入れさせない!
→ 両国は一触即発の核戦争直前までいきました。
結果:ソ連がミサイル基地建設を中止し、危機はおさまりました。
この反省から「部分的核実験禁止条約」が結ばれ、大気圏・宇宙・水中での核実験は禁止されました。
4. ベトナム戦争(1960年代〜1975年)
ベトナムも南北に分かれていました。
陣営 | 内容 | 支援した国 |
---|---|---|
北ベトナム | 共産主義 | ソ連・中国 |
南ベトナム | 資本主義 | アメリカ |
さらにややこしいのが…
- 南ベトナム国内にも、北と一緒になりたい民族解放戦線がいた!
- → アメリカは2つの敵と同時に戦うことに💥
メディアが戦場に入り、ナパーム弾や枯葉剤の被害、捕虜の処刑などの様子が報道され、世界中で反戦の声が高まりました。
ジョン・レノンの「イマジン」も反戦を訴える曲として有名ですね。
結果:アメリカは南ベトナムから撤退し、実質的に敗戦。
5. アフガニスタン侵攻(1979年)
- アフガニスタンで共産主義政権が誕生
- 反対派が国内で暴動を起こす
- → ソ連は共産政権を守るために軍を派遣!=侵攻!
→ これにアメリカは大反発!
- 直接戦争はしないけど、アメリカは反ソ勢力(ムジャヒディン)を支援
またもや「代理戦争」。ここでも冷戦の構図がハッキリと…。
まとめ
用語 | 解説 |
---|---|
冷戦 | アメリカとソ連が直接戦わず、政治・軍事・経済で対立した状態(1947〜1991) |
アジア・アフリカ会議 | 平和共存を訴えた新興国による会議(1955年) |
キューバ危機 | ソ連がキューバにミサイルを置こうとし、アメリカと対立した核戦争寸前の事件(1962年) |
ベトナム戦争 | 南北ベトナムの戦争にアメリカが介入したが、反戦運動が拡がり撤退(1960年代〜1975年) |
アフガニスタン侵攻 | 1979年、ソ連が共産政権を守るために軍を送った出来事。アメリカは反政府側を支援 |
❓ 単語の確認問題(選択式)
- アジア・アフリカ会議で中心的な役割を果たしたのは?
A. アメリカ B. ソ連 C. インドと中国 D. フランス - キューバ危機でソ連が建設しようとしたのは?
A. 原発 B. 医療基地 C. ミサイル基地 D. 宇宙港 - ベトナム戦争でアメリカが戦った相手として正しいのは?
A. 北ベトナムと中国 B. 北ベトナムと民族解放戦線 C. ソ連と南ベトナム D. 日本と韓国 - アフガニスタンでソ連が支援したのは?
A. 民族解放戦線 B. 共産主義政権 C. ムジャヒディン D. アメリカ軍 - キューバ危機の後に結ばれた核関連の条約は?
A. 核拡散防止条約 B. 部分的核実験禁止条約 C. 核兵器禁止条約 D. 米ソ武装協定
✅ 単語の確認問題の答え
- C. インドと中国
- C. ミサイル基地
- B. 北ベトナムと民族解放戦線
- B. 共産主義政権
- B. 部分的核実験禁止条約
✍️ 用語練習問題(記述式)
- 冷戦とは何か?
- アジア・アフリカ会議が目指したことは何か?
- キューバ危機の内容と結果を説明せよ
- ベトナム戦争でアメリカが苦戦した理由は?
- アフガニスタン侵攻が“冷戦”を感じさせる理由を述べよ
✅ 用語練習問題の答え
- 第二次世界大戦後、アメリカとソ連が武力を使わず政治・経済・軍事でにらみ合った状態
- 東西どちらの陣営にも入らず、アジア・アフリカ諸国が平和共存を目指した
- ソ連がキューバにミサイル基地を建てようとしてアメリカと対立した事件。最終的にソ連が基地建設を中止した
- 北ベトナムと、南ベトナム内部の民族解放戦線という二つの勢力と同時に戦ったから
- ソ連が共産主義政権を守るために軍を送り、アメリカは反政府勢力を支援したことで、直接戦わずに代理戦争の形で対立したため。冷戦の特徴がよく表れている。
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