「農民から刀を取り上げるって…ひどくない?」
「なぜそんなことをしたの?」
豊臣秀吉が天下統一のあとに行った有名な政策、刀狩(かたながり)。ただ武器を奪っただけじゃない、そのねらいと効果を、一揆防止・年貢・身分制度と結びつけてわかりやすく解説します!中学生にもピッタリの内容です。
刀狩
1. 刀狩ってどんな政策?
1590年ごろ、豊臣秀吉が百姓(農民)や寺社から刀・槍・弓・鉄砲などの武器を取り上げた政策です。
→ 武士以外の人が武器を持つことを禁止し、戦う力をなくした。
回収対象 | 例 |
---|---|
百姓 | 鉄砲・槍・刀など |
寺社 | 宝物庫にある武器・旧仏教軍の名残など |
2. なぜ刀を取り上げたの?
主な理由3つ:
- 一揆(反乱)を防ぐため
- 農民の武力をなくし、支配を安定させる
- 百姓に農業に専念してもらう
- 戦いでなく農業に力を注いでもらう → 年貢がしっかり納められる
- 武士と百姓のちがいを明確にする
- 「兵農分離(へいのうぶんり)」の考えが進んだ!
3. 刀狩令の内容と発表のしかた
秀吉は「寺の大仏に使う釘や金属にするから、武器を集めたい」と発表。
実は一揆の芽を摘む「政治的な目的」があった!
表向きは「仏教的で平和的」な理由に見せかけていたんです。
4. 刀狩のあと、社会はどう変わった?
- 農民が反乱を起こしにくくなった
- 武士は“戦い”、百姓は“農業”という役割に
- 百姓が土地にしばられて働くようになる
- のちの身分制度(士農工商)の土台ができた!
江戸時代の安定した統治の“スタート地点”がここにあったともいえます。
キーワードまとめ
用語 | 説明 |
---|---|
刀狩 | 百姓や寺社から武器を取り上げ、一揆や反乱を防いだ政策 |
一揆 | 武士や民衆が起こす武力による反乱や集団行動 |
年貢 | 百姓が納める税(主に米)。これを確実に集めるための工夫も必要 |
兵農分離 | 武士と農民をはっきり分け、仕事や立場を整理した考え方 |
身分制度 | 武士・農民・職人・商人などの役割分担。江戸時代に本格化 |
確認問題
単語の確認問題(選択式)
- 豊臣秀吉が武器を回収した政策の名前は?
A. 太閤検地 B. 刀狩 C. 朝鮮出兵 D. 兵農統一 - 刀狩の目的として正しくないものは?
A. 年貢を確実に取る B. 農業に集中させる C. 幕府を作る D. 一揆を防ぐ - 刀狩で取り上げられたものにふさわしくないのは?
A. 弓 B. 鉄砲 C. 田植え道具 D. 槍 - 兵農分離とは?
A. 百姓を武士に昇格させること
B. 武士と百姓の役割を分けること
C. 城を農村に建てること
D. 戦国大名の合併 - 刀狩をとおしてできた社会の基盤は?
A. 市民社会 B. 戦国経済 C. 身分制度 D. 平等社会
✅ 単語の確認問題の答え(記号+内容)
- B:刀狩
- C:幕府を作る
- C:田植え道具
- B:武士と百姓の役割を分けること
- C:身分制度
用語練習問題(記述式)
- なぜ豊臣秀吉は農民や寺社から武器を取り上げたのか、2つの理由を自分の言葉で書きなさい。
- 刀狩が年貢の徴収にどのように役立ったか説明しなさい。
- 刀狩によって百姓の生活や立場はどう変化したか、あなたの考えを書きましょう。
✅ 用語練習問題の解答例
- 一揆などの反乱を防ぐためと、農民に農業だけに集中させて税(年貢)をきちんと納めてもらうため。
- 武器を持っていない農民は戦いを起こせないので、政府に逆らわず、決められた量の年貢をおとなしく納めるようになった。
- 百姓が武器を持てなくなったことで、戦うことより農業をする人としての生活がはっきりし、土地から離れることも難しくなった。武士とのちがいも分けられた。
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