「十字軍って何度も送られたけど、結局どうなったの?」
「聖地エルサレムってなぜそんなに大切だったの?」
この記事では、キリスト教の聖地エルサレムを奪回するために編成された十字軍について、戦いの目的・背景・結果・関係する人々を中学生にもわかりやすく紹介します。世界史で一気に1000年近く進む驚きの出来事を整理しましょう!
十字軍
1. 十字軍が始まったきっかけ
時代背景:
- ビザンツ帝国(キリスト教の国)がイスラム教のセルジューク朝に圧迫される
- 聖地エルサレムがイスラム勢力の手に渡る
ビザンツ帝国の皇帝はローマ教皇に助けを求めた
→ ローマ教皇は軍を編成:「十字軍の出発」
エルサレムはキリスト教・イスラム教にとって“特別な場所”でした
2. 十字軍の出発と目的
目的:聖地エルサレムの奪回
- 1回目:一時的に奪回成功
- その後:イスラム勢力に奪い返される
- 約200年間で7回も十字軍が出発
まるで“聖地を取り返すマラソン”。しかし結果は…
3. 結果:教皇の力が弱まる
失敗が続き、最終的にはすべて奪回できず
教皇の「宗教による力」は弱まり、王の権力や商人の力が強くなっていく流れに
宗教の力がゆるみ、ヨーロッパの政治や経済の中心が変わっていきます
4. 十字軍のしくみと人間関係
騎士:戦えば戦利品や土地を得られる → やる気あり
国王:騎士に土地を与える → 見返りに忠誠を得る
教皇:国王に権威を与える → お金や土地の提供を受ける
→ 「御恩と奉公」的な関係がヨーロッパにも広がっていた!
キーワードまとめ
用語 | 内容 |
---|---|
十字軍 | キリスト教の聖地エルサレム奪回のためにローマ教皇が編成した軍隊 |
ビザンツ帝国 | キリスト教国。正教会と結びついていた東ヨーロッパの勢力 |
セルジューク朝 | イスラム教の国。ビザンツ帝国に圧力をかけていた |
エルサレム | キリスト教・イスラム教の両方にとって聖地となる重要な場所 |
ローマ教皇 | カトリック教会のトップ。十字軍を編成し、宗教的権威を持っていた |
権威 | 「あなたを国王と認める」という象徴的な力。教皇から与えられる |
騎士 | 国王に忠誠を誓い、戦うことで報酬や土地を得た戦士階級 |
確認問題
確認問題(選択式)
- 十字軍が出発したきっかけは?
A. 香辛料がほしかった B. ビザンツ帝国がイスラム勢力に圧迫された C. 商人の力を強めるため D. 貿易ルート確保 - 聖地エルサレムを奪回するために軍を編成したのは?
A. 国王 B. ビザンツ皇帝 C. ローマ教皇 D. 騎士団 - 十字軍の遠征は何回行われた?
A. 3回 B. 7回 C. 5回 D. 2回 - 十字軍の結果として起きたことは?
A. エルサレムの完全奪回 B. 教皇の力が弱まる C. 十字軍による世界一周 D. 騎士の消滅 - 騎士に土地を与えて権威を受け取っていたのは?
A. 商人 B. 教皇 C. 国王 D. 聖職者
✅ 答え(記号+内容)
- B:ビザンツ帝国がイスラム勢力に圧迫された
- C:ローマ教皇
- B:7回
- B:教皇の力が弱まる
- C:国王
記述練習問題
- 十字軍が出発することになった背景を、関係する国や宗教の対立から説明しなさい。
- 十字軍の目的と、その後の結果について説明しなさい。
- 十字軍のしくみに関わった教皇・国王・騎士の関係について説明しなさい。
✅ 解答例
1. キリスト教のビザンツ帝国がイスラム教のセルジューク朝に攻撃され、ローマ教皇に助けを求めました。宗教の対立が背景にあり、聖地エルサレムを守るために軍が編成されました。
2. 十字軍はエルサレムを取り返すために出発し、最初は一時的に成功しましたが、何度も奪い返され、最終的には失敗しました。その結果、教皇の宗教的な力は弱まりました。
3. 騎士は戦うことで土地や報酬を得られました。国王は騎士に土地を与え、忠誠を受け取りました。教皇は国王に権威(国王として認める力)を与え、政治と宗教が連携する関係になっていました。
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