1945年
日本は終戦を迎え、新たな時代の第一歩を踏み出しました。
しかし、その直後、国土は荒廃し、暮らしは厳しく、海外からの引き上げや食料不足など大きな困難が待っていました。
本記事では、戦後の日本の始まり――海外からの帰国、日本国内の暮らし、GHQによる統治の3つの視点から、わかりやすく解説します。
戦後の日本
1. 日本への帰国と領土の変化
1945年8月15日に日本はポツダム宣言を受け入れ降伏をしました。敗戦です。
→多くの人が日本本土に戻ってくることになった。
派遣されていた兵隊が日本に戻ってくることを復員といいます。
復員だけでなく、多くの一般人も日本本土に引き上げてきた
なぜ多くの人が帰国したのか?
復員や引き上げが多かった地域
- 中国 → 日中戦争が続いていた
- 満州 → 日本が建国した「満州国」があった
- 朝鮮半島 → 1910年に「韓国併合」で日本の植民地化
これらの地域から、約665万人の日本人が復員・引き上げをすることになりました。
ソ連の侵攻と「シベリア抑留」
終戦後にソ連が日本へ侵攻してきた。
- 終戦3日後(1945年8月18日)、ソ連が占守島(しゅむしゅとう)に上陸
- 日ソ中立条約を破って攻撃
- 捕虜となった日本兵の多くがシベリアで強制労働(シベリア抑留)
内容:
- 森林伐採、炭鉱労働、-50℃の環境
- 食事は黒パン350g+お湯のようなおかゆ
- 約60万人が連行され、6万人が命を落とした
2. 日本国内の生活
食料不足と闇市
- 終戦直後は配給が機能せず、餓死者も多数
- 非合法の闇市で米を買うしかなく、10合で70円(配給価格の約130倍!)
- 農村に買い出しに出かける人も多く、摘発されると没収されました
学校再開と青空教室
学校は再開したが、校舎は空襲で使えない。
→屋外での授業「青空教室」で学校再開
- 校舎は空襲で焼けたため屋外授業が主流に
- 教科書には軍事的表現が黒塗りされたページが多数
例:「ホンダサンガ ラッパノエヲカキマシタ ヨシダサンガ グンカンノエヲカキマシタ」
→ ラッパ=軍隊を連想 → 黒塗り
→ グンカン=軍隊を連想→ 黒塗り
戦後の街角の光景
- 金庫の中で生活をすう人
- 連合国の兵隊の残飯を煮込んだ食堂や屋台で飢えをしのぐ人々
- 外国兵(MP)が日本を監視する
- 大人や子どもたちが重い荷物を運ぶ光景 闇市での買い物
→ どれも日常と混乱が交差する戦後日本の姿でした。
3. GHQによる占領と統治
GHQとは?
正式名称:連合国軍最高司令官総司令部
略称:GHQ
日本占領政策を指揮したのが、司令官ダグラス・マッカーサー
主な改革と統治方針
- 軍隊を解散:日本の非軍事化(武力を持たない国へ)
- 東京裁判:戦争犯罪人とされた人々を連合国が裁いた「極東国際軍事裁判」
- 公職追放:戦中の政府・企業などで主導的立場にいた者を退任させた
→ GHQは日本に自由・平等・民主主義の価値観を浸透させていきました
まとめ
用語 | 解説 |
---|---|
復員・引き上げ | 海外にいた日本人兵士や民間人の帰国 |
シベリア抑留 | ソ連により連行され、極寒地で強制労働させられた日本人捕虜 |
闇市 | 非合法の自由市場。配給不足を補ったが高額で危険も |
青空教室 | 焼失した校舎に代わり、屋外で行われた授業 |
GHQ | 日本を統治した連合国の組織。戦後の民主化と再建を指導した |
確認問題
単語の確認問題(選択式)
- ソ連軍が戦後に上陸し攻撃を開始した島は?
A. 北方四島 B. 占守島 C. サハリン D. 樺太 - シベリア抑留で実際にあった出来事として正しいものは?
A. 高温地で労働 B. 宿舎は地下壕 C. 黒パンのみの食事 D. すぐに帰国できた - 戦後の学校で行われた「青空教室」の原因は?
A. 雪が多かったから B. 生徒数が多かった C. 校舎が空襲で壊れた D. 室内は禁じられていた - GHQの初代司令官は誰?
A. アイゼンハワー B. ローズベルト C. マッカーサー D. トルーマン - 戦争責任者を裁いた裁判の名称は?
A. 極東国際軍事裁判 B. 東京戦犯公判 C. 日本連合審問裁判 D. 民間再編審判
✅ 単語の確認問題の答え
- B.占守島
- C.黒パンのみの食事
- C.校舎が空襲で壊れた
- C.マッカーサー
- A.極東国際軍事裁判
✍️ 用語練習問題(記述式)
- シベリア抑留
- 闇市
- 青空教室
- GHQ
- 極東国際軍事裁判
✅ 用語練習問題の答え
- 終戦後、ソ連軍に連行された日本人捕虜が極寒の地で強制労働させられたこと
- 配給が機能しない中、生活物資を高額でやりとりした非合法市場
- 空襲で焼けた校舎の代わりに、屋外で行われた授業形式
- 戦後日本を統治した連合国の組織。非軍事化と民主化を進めた
- 戦争指導者を裁くために行われた国際裁判。
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