皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。
歴史の資料集で、キリストやマリア様が描かれた金属の板を足で踏んでいる絵を見たことがありますよね? それが「踏絵(ふみえ)」です。
「ただ板を踏むだけでしょ?」「踏んだふりすればいいじゃん」……現代の私たちはそう思うかもしれません。しかし、当時の人々にとって、それは「命と魂をかけた恐ろしい儀式」でした。
もし、踏まなかったらどうなってしまうのか? 当時の幕府がなぜそこまで冷酷になれたのか、その裏側をリアルに解説します。
絵踏を踏まない
1. 「踏絵(ふみえ)」と「絵踏(えふみ)」の違いって?

実は、言葉の使い分けがテストに出ることがあります!
- 絵踏(えふみ):板を足で踏むという「行為」のこと。
- 踏絵(ふみえ):踏むために使われた「板そのもの」のこと。
最初は紙に描かれた絵でしたが、みんなが踏みすぎてボロボロになるので、後から木や金属で作られた頑丈なものが登場しました。
2. もし、踏まなかったらどうなる?(衝撃の結末)
もし「私は信仰を捨てられません」と踏むのを拒否したら……。そこには、現代では想像もできない「地獄」が待っていました。
① 即座に逮捕・激しい拷問
ただ殺されるわけではありません。幕府の目的は「キリスト教を捨てさせること(棄教:ききょう)」だったので、あえて苦痛を長引かせました。
- 穴吊り(あなつり):逆さまに吊るして、耳に穴をあけ(圧力を逃がすため)、何日も苦しませる。
- 雲仙の地獄責め:熱湯が湧き出る温泉に突き落としたり、熱湯をかけ続けたりする。
② 家族や親戚まで連帯責任
本人だけでなく、家族や近所の人(五人組)まで処罰されることがありました。「自分一人が我慢すればいい」というわけにいかないのが、江戸時代の怖さです。
③ 最後は処刑
どうしても信仰を捨てない場合は、火あぶりや首切りなどの処刑が行われました。
3. 幕府はなぜ、そこまでキリスト教を恐れたのか?
家康たちがキリスト教を禁止した(禁教令)のには、教科書だけではわからない「リアルな恐怖」がありました。
★ 「貿易はしたい、でも植民地は嫌だ!」
当時の日本は、外国との貿易で大儲けしたいと考えていました(朱印船貿易など)。しかし、世界に目を向けると、キリスト教の宣教師がやってきた後、その国の軍隊がやってきて植民地にされる事件が多発していました。
★ 奴隷貿易の真実
当時、多くの日本人が「奴隷」として海外に売られていたという事実もありました。キリスト教という「神の下の平等」という教えが、幕府の身分制度を壊し、日本を外国の支配下に置いてしまうのではないか……。幕府は、国の独立を守るために、心を鬼にしてキリスト教を排除しようとしたのです。
4. 【豆知識】「踏んだ後」の心の傷
「踏めば助かるんだから、とりあえず踏めばいいじゃん」と思いますよね。でも、当時の信者たちは、踏んだ後に自分の足を洗い、その水を飲んで「罪を清める」という儀式を隠れて行っていました。 何年も踏み続けられた金属の板は、人々の足の裏の脂で黒光りし、キリストの顔が削れて見えなくなっていました。その「すり減った顔」こそが、当時の人々の苦しみの深さを物語っています。
5. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 江戸幕府が、キリスト教を信じていないことを証明するために行わせた行為を何といいますか。
【問2】 キリスト教を禁止し、宣教師を追放した命令を何といいますか。
【問3】 すべての国民を仏教のお寺に登録させ、信仰をチェックした制度を何といいますか。
【問4】 1637年、九州で起きた大規模なキリスト教徒らの反乱を何といいますか。
【問5】 日本人との貿易を許された、数少ないヨーロッパの国はどこですか。
6. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 絵踏(えふみ) ※板は踏絵
【問2】 禁教令
【問3】 宗門改(しゅうもんあらため) ※寺請制度
【問4】 島原・天草一揆
【問5】 オランダ
7. 入試に出る記述問題
【問題】 江戸幕府が、貿易の利益を求めながらもキリスト教を厳しく制限した理由を、「植民地」という言葉を使って説明しなさい。
8. 答え
【解答例】 キリスト教の布教が、スペインやポルトガルによる日本の植民地化につながることを恐れたため。


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