皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。
江戸時代の歴史で、セットで出てくるのが田沼意次(たぬまおきつぐ)と松平定信(まつだいらさだのぶ)。
教科書をめくると、この2人の政策は驚くほど「真逆」です。
「田沼がやったことを、定信が全部ひっくり返した」と言ってもいいくらい。
なぜこんなに極端な変化が起きたのか? 今回は、江戸時代を揺るがした2人の「経済バトル」を、データと雑学でスッキリ解説します!
田沼意次と松平定信
1. 「お金」で攻める田沼意次(田沼の政治)

田沼意次は、それまでの「お米(年貢)だけに頼る幕府」に限界を感じていました。
- 考え方:「お米が増えないなら、商売でお金を回して、そこから税金を取ればいい!」
- やったこと:
- 株仲間(かぶなかま):商人のグループを公認して、営業税(マネー)をもらう。
- 俵物(たわらもの):フカヒレやアワビを清(中国)に輸出して、外貨を稼ぐ。
- 新しい貨幣:金と銀の交換をスムーズにする「南鐐二朱銀」を発行。
結果: 経済はめちゃくちゃ発展しました!町人文化も花開き、世の中はパッと明るくなりました。しかし、お金が力を持ちすぎたせいで「わいろ」が横行し、さらには「天明の大飢饉」という不運に見舞われて失脚します。
2. 「お米」に戻す松平定信(寛政の改革)

田沼が去った後に登場したのが、第8代将軍・吉宗の孫である松平定信です。彼は、田沼時代の「お金とわいろの汚れ」を大掃除しようとしました。
- 考え方:「田沼の政治は邪道だ! おじいちゃん(吉宗)の頃のように、お米と節約の政治に戻すぞ!」
- やったこと:
- 倹約令(けんやくれい):贅沢は敵! 徹底的に節約させる。
- 旧里帰農令(きゅうりきのうれい):江戸に遊びに来た農民を、無理やり村に帰して米作りをさせる。
- 棄捐令(きえんれい):武士の借金を強制的にチャラにする(お金を貸した商人は大損)。
結果: 政治はクリーンになり、飢饉に備えた「囲米(かこいまい)」で備蓄も増えました。でも、あまりに厳しすぎて世の中は冷え込み、人々は「息が詰まる!」と不満を爆発させました。
3. なぜこんなに「真逆」になったの?
最大の理由は、「何が正義か」の価値観が違ったからです。
| 比較ポイント | 田沼意次(商業重視) | 松平定信(農業重視) |
| 重視したもの | お金(商業) | お米(農業) |
| 社会の理想 | 経済を回して豊かになる | 伝統を守り、質素に暮らす |
| 商人への態度 | 協力して一緒に儲ける | 厳しく取り締まる |
| わいろ | 発展の副作用(必要悪?) | 絶対に許さない悪 |
定信からすれば、田沼の政治は「武士のプライドを捨ててお金に魂を売ったもの」に見えたのです。だからこそ、全力で「リセット」ボタンを押したわけですね。
4. 【豆知識】有名な皮肉の歌「白河の……」
当時の人々の本音がわかる、有名な狂歌(きょうか)があります。受験生は必ず覚えましょう!
「白河(定信)の 清きに魚のすみかねて もとのにごりの 田沼こひしき」
意味:「定信さんの政治は、水(政治)が清らかすぎて、私たち魚(庶民)は住みにくいよ。わいろで濁っていたけど、田沼さんのゆるい時代が懐かしいなぁ」
結局、クリーンすぎる政治よりも、少しくらい「遊び」がある時代のほうが、人々は楽しく暮らせていたのかもしれません。
5. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 商人に独占権を与える代わりに営業税を取った、田沼意次が奨励した組織は何ですか。
【問2】 田沼が清への輸出を増やした、フカヒレなどの海産物を何といいますか。
【問3】 松平定信が理想とした、「享保の改革」を行ったおじいちゃん(将軍)は誰ですか。
【問4】 武士の借金を帳消しにするために定信が出した、超強力な命令は何ですか。
【問5】 定信が、朱子学以外の学問を禁じた江戸の学問所はどこですか。
6. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 株仲間(かぶなかま)
【問2】 俵物(たわらもの)
【問3】 徳川吉宗(とくがわよしむね)
【問4】 棄捐令(きえんれい)
【問5】 昌平坂学問所(しょうへいざかがくもんじょ)
7. まとめ



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