皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。
歴史の教科書で、非常に皮肉で印象的な1枚の写真を見たことはありませんか? 大きな看板に、笑顔の家族がドライブを楽しむ「豊かなアメリカ」が描かれ、そのすぐ下に、どんよりと暗い表情で長蛇の列を作る人々……。
今回は、1929年に始まった「世界恐慌(せかいきょうこう)」がどれほど恐ろしいものだったのか、この有名な写真の意味を解き明かしながらスッキリ解説します!
世界恐慌
1. 始まりはニューヨークの「暗黒の木曜日」
1920年代のアメリカは、まさに世界一の黄金時代でした。自動車(T型フォード)が普及し、ラジオからはジャズが流れ、誰もが「この豊かさは永遠に続く」と信じていました。
しかし、1929年10月24日。ニューヨークの株式市場で株価が突然、滝のように大暴落しました。 これがきっかけとなり、銀行が潰れ、会社が倒産し、街には失業者があふれ出したのです。
2. 写真の解説:皮肉すぎる「アメリカの理想」と「現実」

冒頭でお話しした写真には、アメリカのプライドが詰まった大きな看板が背景にあります。
そこには、2つの英語が誇らしげに書かれています。
① WORLD’S HIGHEST STANDARD OF LIVING (意味:世界最高の生活水準) ② There’s no way like the American Way (意味:アメリカ流にまさるものなし)
看板の中では、白人の家族がピカピカの車に乗って、最高に幸せそうな笑顔でドライブをしています。まさに「アメリカンドリーム」の象徴です。
しかし、その看板の真下に並んでいるのは、パンの配給を待つ失業者たちの行列です。 「世界一の生活」を自慢する看板のすぐ下で、今日食べるパンすら手に入らない人々が並んでいる……。この強烈なコントラストこそが、世界恐慌の残酷さを何よりも物語っています。
3. なぜ「アメリカだけ」ですまなかったのか?
この不景気は、アメリカ国内だけで終わることはありませんでした。当時のアメリカは世界一の経済大国であり、世界中の国にお金を貸したり、モノを買ったりしていたからです。
- アメリカがモノを買わなくなる:他国の工場が潰れる。
- アメリカが貸していたお金を回収する:他国の銀行が潰れる。
こうして、ドミノ倒しのように世界中が不景気になりました。これが**「世界恐慌」**と呼ばれる理由です。
4. 【豆知識】T型フォードが「不況」を呼んだ!?
当時、アメリカの家庭の2つに1つが持っていたと言われる「T型フォード」。 流れ作業で大量生産され、価格が下がったことで爆発的に売れましたが、実はこれが不況の一因にもなりました。
★ なぜ車が売れると不況になるの? 車は一度買ったら、10年くらいは乗り続けますよね。 みんなが一通り買い終わると、急に「誰も買わない時期」が来ます。でも工場は大量に作り続けている……。モノが余り、値段が下がり、会社の儲けが減って、給料が下がる。「大量生産・大量消費」のシステムが、逆に自分の首を絞めてしまったのです。
5. 基礎用語の確認問題(5問)
【問1】 1929年にニューヨークの株価暴落から始まった、世界的な不景気を何といいますか。
【問2】 世界恐慌対策として、アメリカのローズベルト大統領が行った政策は何といいますか。
【問3】 ニューディール政策で、失業者に職を与えるために国が積極的に行ったダムや道路の建設工事を何といいますか。
【問4】 イギリスやフランスが、自分の植民地とだけ貿易を活発にし、他国の製品を締め出した経済対策を何といいますか。
【問5】 世界恐慌を背景に、ドイツやイタリアで台頭した、独裁的な政治体制を何といいますか。
6. 基礎用語の確認問題の答え
【問1】 世界恐慌
【問2】 ニューディール政策
【問3】 公共事業
【問4】 ブロック経済
【問5】 ファシズム
7. 入試に出る記述問題
【問題】 アメリカのニューディール政策における「公共事業」は、どのようにして失業者を救おうとしたのか。その仕組みを説明しなさい。
8. 答え
【解答例】 政府がダムや道路などの建設工事(公共事業)を積極的に行い、そこに失業者を雇うことで、職と給料を与えて生活を助けようとした。
9. まとめ



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