明治時代に
「新しい思想=新しい考え」
が入ってきました。
新しい思想と言っても、欧米の考えが入ってきたということです。
「頭脳の文明開化」のイメージです。
「福沢諭吉」「中江兆民」についてわかりやすく、解説していきます。
日本の自由と平等
江戸幕府に自由や平等の考え方はありません。
欧米の「自由」「平等」の考え方が入ってきました。
そのキーポイントになった
2人の人物を中心に紹介します。
福沢諭吉~学問のすゝめ~
1万円でおなじみの福沢諭吉。
何をした人なのかよく分からないと思います。
「学問のすゝめ」という本を出版し、ベストセラーになりました。
人の上に人はない。人の下にも人はない。人は生まれながらにみな平等である。それなのになぜ社会では貧しい人と豊かな人の差、賢い人と愚かな人という違いが生まれるか。
それは、学んで自分を高めるか高めないかの努力の差による。今は江戸時代と違って身分差のない社会になったのだからチャンスは平等。我々は大いに自立のための学問をしよう。それによって成功の道を切り拓いていこう。
福沢諭吉の考えに納得できますか?
努力の差によると言われれば納得できます。
しかし、
「生まれた家によって差はある」と考えると納得は得られないかもしれません。
「学力の経済学」です。
当時は江戸時代が終わり明治時代になったばかり。
人々は希望に満ちあふれています。
これまでの武士・百姓・町人の時代とは違う
「学問を励むことで立身出世だ!」
と心を躍らせた人が多かったのかもしれません。
中江兆民~東洋のルソー~
中江兆民はルソーの考えを日本に紹介した人です。
ルソーは社会契約論で「人民主権」を唱えました。
「人民主権」は「国民主権」と思ってください。
「国民」という意識が芽生えるのは、日本ではもう少し先のことです。
これまで「江戸幕府に従う」「藩に従う」という「幕藩体制」で政治が行われていました。
そこに急に
人民(国民)が政治を決められるぞ!
と考えた庶民は感銘を受けます。
今では当たり前かもしれませんが、当時は考えられない内容でした。
お年寄りは「まあ、そうは言っても・・・」という感じでしたが、
若い人にとっては「夢のような話し」です。
ルソーの考えから「自由民権運動」につながっていきます。
用語確認 一問一答
① 「学問のすゝめ」を著わした人
② ルソーの思想を日本に伝え「東洋のルソー」と言われる人
用語確認 一問一答 ~答え~
① 福沢諭吉
② 中江兆民