1914年~1919年
第一次世界大戦
第一次世界大戦前の世界情勢
第一次世界大戦のきっかけは?
第一次世界大戦のこれまでの戦争との違い
わかりやすく、簡単に解説していきます。
キーワード
・第一次世界大戦
・三国同盟
・三国協商
・ヨーロッパの火薬庫
・総力戦
第一次世界大戦
第一次世界大戦前の世界
最初に日清戦争と日露戦争の復習です。
- 日清戦争のきっかけは「甲午農民戦争」
講和条約は「下関条約」 - 日露戦争のきっかけは「義和団事件」
講和条約は「ポーツマス条約」
19世紀の世界は、各国の力関係により次のように分けられていました:
- 一等国(列強):軍事力を背景に植民地を持つ国
- 二等国:植民地を持たない国
- 三等国(植民地):植民地支配されている国
各国は一等国を目指し、20世紀に入ると状況は変化します。
列強同士で争い、三等国(植民地)の奪い合いが始まります。
つまり、20世紀の世界は一等国同士の争いの時代になるのです。
各国の関係と対立の構図
戦争前の各国の関係は以下の通りでした。
- ドイツとフランスは仲が悪い(隣国同士で戦争を繰り返していた)
ビスマルクはフランスを倒し、フランスのベルサイユ宮殿でドイツ帝国の戴冠式を行った。フランスはこれを屈辱と感じていた。 - ドイツはオーストリアと手を結ぶ。フランス対策
- フランスはロシアと手を結ぶ。ドイツ対策
- イギリスはロシアと対立していた。
同じころ日本もロシアと対立していた。「敵の敵は味方」——日本とイギリスは1902年に日英同盟を結ぶ。日英同盟を得た日本は1904年に日露戦争を起こし、ロシアに勝利。 - イギリスはロシアよりもドイツのほうが脅威であると感じ、ロシアと和解する。
結果
イギリス・フランス・ロシアが結びつき、三国協商が成立。
一方、
ドイツ・オーストリア・イタリアは三国同盟を結びました。
ヨーロッパの火薬庫:バルカン半島
第一次世界大戦の原因の1つがバルカン半島です。
風刺画では「バルカントラブル」と書かれた箱の蓋を必死に閉めている様子が描かれています。今にも爆発しそうな様子です。
バルカン半島は多くの民族や宗教が混在し、戦争が起きてもおかしくない地域で「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれていました。
そんな中、オーストリアの皇太子夫妻がサラエボ(セルビア)を訪問。
セルビアはオーストリアに支配されており、「ロシアと結びつきたい」と考える一部の人々の中から、皇太子夫妻を暗殺する事件が発生します。
サラエボ事件です。
この事件をきっかけに、ロシアとドイツの対立が高まります。
結果、サラエボ事件をきっかけに第一次世界大戦がはじまります。
二つの陣営に分かれた世界
- 三国協商(連合国/協商国):イギリス・フランス・ロシア
- 三国同盟(同盟国):ドイツ・オーストリア・イタリア(のちに離脱)
イタリアは同盟国を裏切り連合国側に回ります。
同盟国にはオスマン帝国やブルガリアも加わっていましたが、イタリアの離脱は大きな痛手となりました。
塹壕戦と新兵器
第一次世界大戦では、兵士たちは塹壕(ざんごう)の中を歩いて戦いました。
なぜなら、機関銃が登場し、1分間に600発も撃たれるため、塹壕の外に出るとすぐに撃たれてしまうからです。
また、以下のような新兵器も登場しました。
- 戦車
- 潜水艦
- 飛行機
- 毒ガス
これらにより、戦死者が非常に多くなりました。
アメリカと日本の参戦
当初中立を保っていたアメリカは、ドイツの潜水艦がイギリスの豪華客船を沈め、その中にいたアメリカ人144人が死亡したことをきっかけに、連合国側で参戦します。
これにより、戦況は一気に連合国有利となります。
日本はどうだったのか?
日本はイギリスと日英同盟を結んでいたため、連合国側で参戦しました。
ただし、ヨーロッパまで戦いには行かず、中国や南太平洋のドイツの権益地域を攻撃しました。
総力戦の姿
第一次世界大戦は、国民全員が戦争に動員される総力戦でもありました。
ドイツの工場では女性が兵器を作っていました。
男性は前線で戦っていたため、女性が労働力を担ったのです。
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