平和な日常が一変し、子どもたちの遊びや心までもが戦争に染まっていく――。
戦時中の日本では、米との外交悪化、青い目の人形への感情の変化、学徒出陣、空襲、疎開など、人々の暮らしと心が深く揺れ動いていました。
本記事では、戦時下の人々の生活と心情、そして復興への一歩をわかりやすく解説します。
戦時下の人々の暮らし~太平洋戦争~
青い目の人形と子どもたちの心の変化
1924年
アメリカで排日移民法が成立。
日本との関係悪化を懸念したアメリカ市民たちは、日本との友好の象徴として「青い目の人形」を贈ります。
- 1927年、12,739体の青い目の人形が日本へ
- 全国で歓迎され、返礼として日本から日本人形をアメリカへ
しかし、1941年の真珠湾攻撃で一変。
敵国から贈られた人形になってしまい…
新聞には「児童は叫ぶ 叩き壊せ青い目の人形」という見出しが…
子どもたちの純粋な心までもが戦争に染められていきます。
戦争が描く「敵の姿」と感情の戦い
- 太平洋戦争中、日本では敵国を悪く描いた漫画が大量に描かれました
- 一方アメリカは、日本へ空襲の予告ビラを投下
- 感情の戦いが国民の心にまで影響を与えていきました
子どもたちの遊び道具が消えていく
軍事用資材の確保のため、
- ブランコや鉄棒などの遊具が接収されてしまい
- 子どもたちは紙製のメンコなどで遊ぶしかありませんでした
学徒出陣と動員体制
それまで徴兵を免除されていた文系の大学生も戦地へ――
これを「学徒出陣」といいます。
軍需工場では女性や学生が働きます。
男性はどうして働かなく良かったのでしょうか?
男性は戦地へ兵隊として派遣されます。
だから、男性がいない。
女性や学生も働き手として戦争の一端を担います。
女性や学生も戦争のために働く勤労動員といわれます。
また英語は禁止され、スポーツ名も漢字表記に:
漢字名 | スポーツ名 |
---|---|
蹴球 | サッカー |
籠球 | バスケットボール |
排球 | バレーボール |
庭球 | テニス |
闘球 | ラグビー |
杖球 | ホッケー |
打球 | 野球 |
鎧球 | アメリカンフットボール |
疎開の実現と東京大空襲
陸軍武官・辰巳栄一は、イギリスで見た空襲の経験から日本でも疎開が必要と進言します。
- 東条英機は反対:「帝都を離れる者は非国民だ!」
- それでも辰巳は周囲を説得し続け、集団疎開が実現
→ 約20万人の児童が地方へ疎開
→ 直後、東京大空襲が発生し、4分の1の家屋が焼失、約8万人が犠牲に
まとめ
用語 | 意味 |
---|---|
学徒出陣 | 大学生の徴兵猶予が解除され、戦地へ向かった制度 |
疎開 | 空襲を避け、都市部の児童を地方へ集団的に避難させたこと |
東京大空襲 | 1945年、アメリカによる大規模爆撃。8万人が亡くなる |
❓ 単語の確認問題(選択式)
- アメリカから日本に贈られた人形の名前は?
A. 日本人形 B. 西洋人形 C. 青い目の人形 D. ドール・メッセージ - 戦争中に文系大学生が徴兵されたことを何という?
A. 学徒出陣 B. 集団徴用 C. 青年挺身隊 D. 教練義務 - 東京大空襲の被害で正しいものは?
A. 約8万人が犠牲 B. 大阪が爆撃された C. 家屋全焼は10% D. 空襲前に東京からの疎開は禁止されていた - メンコが子どもたちの遊びになった主な理由は?
A. 文化として人気が出た B. テレビで紹介された C. 金属の遊具が軍用に回されたため D. 高価で特別だったため - 東条英機の「非国民」発言が関係する出来事は?
A. 靖国参拝 B. 集団就職 C. 疎開の反対 D. 憲法改正
✅ 単語の確認問題の答え
- 青い目の人形
- 学徒出陣
- 約8万人が犠牲
- 金属の遊具が軍用に回されたため
- 疎開の反対
✍️ 用語練習問題(記述式)
- 学徒出陣
- 集団疎開
- 東京大空襲
✅ 用語練習問題の答え
- 文系大学生が徴兵され、戦地に送られた出来事
- 都市の小学生が空襲を避けて地方に避難した制度
- 1945年、アメリカの大規模爆撃。多くの民間人が犠牲になった
コメント