金融恐慌の真実をわかりやすく解説~大臣の「失言」で日本中がパニック!?~

昭和時代
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皆さん、こんにちは!「社会人先生」です。今日も楽しく歴史を学んでいきましょう。

もし突然、ニュースで「あなたが預けている銀行が倒産しそうです!」と流れたら、どうしますか? きっと、大急ぎでATMや銀行の窓口に走って、自分のお金を引き出そうとしますよね。

実は、今から約100年前の日本で、それと全く同じ大パニックが起きました。しかも、その原因は「国の大臣のうっかり発言(失言)」だったのです!さらに、そのパニックを鎮めるために「裏側が真っ白な偽物のような本物のお札」まで発行されました。

今回は、のちの昭和恐慌へと繋がる最悪の引き金、金融恐慌(きんゆうきょうこう)について、テストで狙われるポイントを絞って世界一わかりやすくガチ解説します!

金融恐慌


1. 爆発寸前の時限爆弾:「震災手形」のワナ

1927年(昭和2年)に起きた金融恐慌ですが、その原因は4年前の1923年に起きた関東大震災にさかのぼります。

震災で工場や会社が燃えてしまい、多くの企業が銀行から借りたお金を返せなくなりました。そこで政府は、被災した企業を救うために支払いを待ってあげる「震災手形(しんさいてがた)」という特別なルールを作りました。

しかし、何年経っても企業の業績は回復しません。「待ってあげたけど、やっぱりお金は返ってこない…」と、銀行は不良債権(返してもらえない借金の山を抱え、経営がボロボロになっていました。日本経済は、いつ爆発してもおかしくない時限爆弾を抱えていたのです。


2. 歴史に残る大失言!「東京渡辺銀行が破綻しました」

そして1927年3月14日、ついにその時が来ます。 舞台は国会(帝国議会)の予算委員会。当時の大蔵大臣(今でいう財務大臣)である片岡直温(かたおか なおはる)が、震災手形の処理について野党から激しく追及されていました。

焦った片岡大臣は、議論を早く終わらせようとして、とんでもないことを口走ってしまいます。

「現に今日のお昼頃において、東京渡辺銀行がとうとう破綻(つぶ)れました」

実はこの時、東京渡辺銀行は資金繰りに苦しんではいたものの、まだつぶれていなかったのです! お昼になんとかお金を工面して、営業を続けていました。しかし、国のお金を管理するトップである大蔵大臣が「つぶれた」と大声で言ってしまったのです。


3. 日本中が大パニック!「取り付け騒ぎ」と「裏白紙幣」

大臣の発言は、新聞の号外などで一瞬にして日本中に広まりました。「えっ!? 銀行がつぶれる!? 俺の預金はどうなるんだ!」

金融恐慌イメージ図

パニックになった国民は、自分のお金を引き出そうと、全国の銀行の窓口に殺到しました。これを取り付け騒ぎ(とりつけさわぎ)といいます。

銀行に現金が足りなくなる大ピンチ!この混乱を止めるために立ち上がったのが、新しく蔵相になった高橋是清(たかはし これきよ)です。彼は前代未聞の作戦を立てました。

  • 支払猶予(モラトリアム): 3週間、銀行の支払いをストップさせる法律を作りました。
  • 裏白紙幣(うらじろしへい)の発行: 銀行が開くときに見せる「大量の現金」が必要でした。しかし、お札を印刷する時間が足りません!そこで、なんと「裏側の印刷を省いた200円札」を急造しました。

銀行の窓口に、この「裏が真っ白なお札」を山積みにして、「お金はいくらでもあるから安心してください!」とパフォーマンスをしたのです。これで国民は安心し、パニックは収まりました。

金融恐慌

4. 恐慌の裏で笑う者:巨大化した「財閥」

金融恐慌

小さな銀行が次々とつぶれていく中、国民はこう考えました。 「小さな銀行に預けるのは危ない。絶対に潰れない、大きくて強い銀行にお金を移そう!」

その結果、お金がどこに集まったかというと、三井や三菱などの財閥(ざいばつ)が経営する巨大な銀行でした。

中小企業や小さな銀行がバタバタと倒れる中で、財閥だけはライバルがいなくなり、さらに預金も集まって大儲けをしました。「一般国民はこんなに苦しんでいるのに、財閥ばかりが甘い汁を吸っている!」という国民の強い怒りが、のちの軍部台頭(五・一五事件など)への伏線になっていくのです。


5. 実力確認!一問一答(テスト・受験対策)

【問1】 1927年、大蔵大臣の失言をきっかけに銀行が次々と休業・倒産した経済の混乱を何といいますか?

【問2】 金融恐慌の際、銀行が倒産すると不安になった人々が、預金を引き出そうと銀行の窓口に殺到したパニックを何といいますか?

【問3】 関東大震災のあと、政府の特別措置によって支払いが延期されたものの、結局回収できずに銀行の経営を圧迫した手形を何といいますか?

【問4】 金融恐慌を鎮めるため、急いで印刷するために裏面の印刷を省いて発行されたお札を何といいますか?

【問5】 金融恐慌の結果、中小の銀行が倒産する一方で、預金が集中してさらに日本の経済を支配するようになった巨大な企業集団を何といいますか?


6. 一問一答の答え

【問1】 金融恐慌

【問2】 取り付け騒ぎ

【問3】 震災手形

【問4】 裏白紙幣(または乙二百円券)

【問5】 財閥


7. テスト・受験に出る論述問題と答え

【問題】 1927年に起きた「金融恐慌」は、どのような背景から、何がきっかけとなって起こったか。「震災手形」「取り付け騒ぎ」の2つの語句を用いて説明しなさい。

【答え】 関東大震災のあとに決済が延期された震災手形が回収できず銀行の経営が悪化していた背景の中、大蔵大臣の失言をきっかけに国民が預金を引き出そうとする取り付け騒ぎが起こり、多くの銀行が倒産したため。


8. まとめ

  1. 関東大震災の震災手形によって、日本の銀行は大量の不良債権という「時限爆弾」を抱えていた!
  2. 1927年、片岡大蔵大臣の「銀行が破綻した」という失言が、パニックの引き金となった!
  3. 国民が銀行に殺到する取り付け騒ぎに対し、裏側の印刷を省いた裏白紙幣を急造して安心感を与えた!
  4. この混乱で、預金が財閥系銀行に集中し、富の格差がさらに広がって昭和恐慌へと繋がった!


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